母のような偉大な魔法使いを目指す少年ココット。
街を見下ろす塔の上。
覚えたての魔法を使うためにバッグから魔法陣の書かれたカードを取り出します。

宇宙を覆う「闇」、散りばめられる「星」、それに輝きと色を与える「光」...
魔法を組み合わせて特殊な魔法を発動させるココットの得意技、合成魔法。
その魔法は雲に覆われた夜空に擬似的な星空を映し出します。
しかし魔法具の中の魔力ではその状態を維持するだけの魔力は無かったのでした。

「お母さんのように身体に魔力を溜め込めて、魔法具無しで使えればいいのに」

魔法に必要なアイテムは魔法陣と魔力の籠った魔法具。
魔法具は一個一個使い捨てで、なおかつお金もかかります。
子供のココットにとっては手に入りにくいものでした。
それに、母に近づくためにはみんなと同じ魔法の使い方ではいけないのです。
しかしココットは考えました。
元は妖精の力を解明した力である魔法。
妖精の仕組みを知れば手がかりが見つかるのでは?と。

「早く帰らないと怒られちゃう」

ココットは母の元へ帰るため、塔を降り始めました。
バルコニーに背を向けた時、
小さな隕石が森の方へ落ちていったことに気づかずに...